バレンタインデーで男を知る
今週のお題「バレンタインデー」
なんだかんだ言ってもチョコは欲しい、と言うのが男だ。
どんな子からでもバレンタインチョコをもらったら、
男は自尊心が補われて、嬉しいんだろう。
そしてバレンタインで告白されたら、男は自分の武勇伝として終生、
話のネタにするのだ。
私は女ですが、去年は友達の子供から手作りチョコをいただいた。
友チョコのおすそ分けをわざわざ郵便で送ってくれた。
小学生ながら女子力を感じるラッピングで、メッセージ入り。
かわいいものだった。当然おいしい。良い子に育つでしょう。
子供のころに見たマンガで、私史上、
「チョコの渡し方の殿堂入り」
となったシーンがある。
主人公はスミレの砂糖漬けをほどこしたチョコを好きな人にあげるため、
ぎゅっとにぎりしめて彼を長い間待ちぶせた。
やがてそのチョコがその人に渡り、彼が包みを開くと、指の形がくっきりと…。
あの子、こんなに握りしめてオレを待っていたのか…
というシーン。
花の砂糖漬けのチョコなんて、リアル男はそんなに喜ばない。
ましてマンガは指の形がキレイだったが、リアル女の待ち伏せた指の形がついたチョコなんてオイオイ…と思われるに違いない。
しかしスミレの砂糖漬けに夢を抱いた読者は、当時多かったはずだ。
子供だった私はスミレを探した。
あげる相手は父親だったが、あのマンガのような仕上がりを目指して、
近所でスミレを探した。
スミレを買うなんて貧乏だったので頭に無かった。
しかしスミレは見つからず、近所の土手にあったのはツクシ。
ツクシを持って帰り、お母さんに
「スミレの砂糖漬けみたいなのー!作ってー!」
と伝えたが、
普通にツクシの煮付けができあがる。
ツクシの煮付けをカットして、チョコの上にのせてみる。父にあげた。
父は気持ち悪がった。バレンタインデーなんて父は気にしていなかったが、
「オレは普通のチョコがいいわ!」と言われた。
バレンタインチョコは女が夢を持ちすぎてもいけない。
男も複雑なチョコを、望んではいない。